武の杜

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書籍『日本伝統のコアトレがすごい! シコふんじゃおう』元・一ノ矢著(ベースボール・マガジン社)

伝統的相撲鍛練法に秘められた力!?

 著者の元・一ノ矢氏は、高砂部屋(入門時は若松部屋)所属の元大相撲力士で、日本相撲協会現役時代から、「年齢に関係なく、体の使い方によって強くなる相撲の本質があるはず。それを実践して証明したい」と語っており、本書は「シコ」などの相撲の伝統的な鍛錬法に着目し、長年研究した著者の成果の一端を公開したものになります。初版は2009年3月です。

 「シコ」の前段階の「腰割り」から、「股割り」、「シコ」、「蹲踞」、「テッポウ」など相撲の伝統的鍛錬法の正しいやり方を数多くの写真を使って丁寧に解説されています。とりわけ重要なのは冒頭の「腰割り」です。私も本書を読んで、著者の勧める「腰割り」を基礎鍛錬として採用し、日課として10年継続していますが、「腰割り」は本当に奥の深い鍛錬法だとつくづく思います。

 私は空手を修行中ですが、「腰割り」によって、「四股立ち」で何気なく立つコツを、「シコ」で蹴り足を体で釣り上げる感覚を身につけることができました。おそらく、相撲の「腰割り」「シコ」も単なる脚力鍛錬法ではなく、人間の体の使い方を質的に転換する「型」なのでしょう。

 空手の「四股立ち」で深く腰を落とすと膝が前に出てしまう。膝を前に倒すまいとすると極端にお尻を後ろに突き出し、腰をかなり反った格好になってしまう。あるいは後ろに倒れてしまう。腿の表側の筋肉ばかりが強張って、長時間立つことができないなど、「四股立ち」で苦労している全ての空手修行者・愛好者も本書の「腰割り」を段階的に実践いただければ、きっと腰が割れた正しい「四股立ち」が身につけられると思います。

 ちなみに解説に使われている挿入写真は、すべて小林由佳さんがモデルというちょっとした特典もありますので、小林由佳さんファンの方も是非ご覧ください(笑)。